切り出し落雁の虹と一口羊羹の傘
普通の落雁と呼ばれるものは砂糖、寒梅粉、味甚粉などを水だけor水と水飴で作ったみつのようなものを混ぜてしっとりさせてから打ちます。こういうのを「しとりをつける」と言ってます。
乾いて水分が飛ぶと固くなって、口の中で溶かして食べる感じなんですが、この切り出しと呼ばれるものは水とかみつの代わりに「あんこ」を使って「しとり」をつけます。
あんこが入って水分が抜けきらないので「しっとりした落雁」といった感じの食感になります。なので固まったら切って使うことから「切り出し」と呼んでいます。味は落雁と同じで食感が違うということです。
これはよく2~3層あたりで作ったり、間に羊羹を流してサンドしたり、豆を入れて固めたりとお菓子のお題によってアレンジしたりして使われます。今回は虹でさすがに7色はちょっと(笑)と思って5色で作りました。
1層作って押して2層目、3層目と押し固めてから包丁で切ってます。難しいところはまっすぐに平らに伸ばすことですね。でないと、厚いところ、薄いところができてしまうからです。できてみないと確認のしようがないので色も重ねるしある意味1発勝負なところがあります。色も同じ感じに合わせるのも難しいところです。
一口羊羹は傘の型で抜きました。こしあんの羊羹なんでこうもり傘になっちゃいました。
この一口羊羹、少し水飴を多めに入れて作ってあります。持って食べてもベタ付かないように表面を乾かしてあるんですが、今のじめじめした時期には勝てない模様…ちょっとしっとりしちゃいます。
錦玉の紫陽花
七変化とも呼ばれる紫陽花ですが色が変わるからそういう別名があったりします。
中は白あんで回りに色付けした錦玉羹をサイコロ状に切って貼りつけて、はがれないように溶かした錦玉を上から流して固めてあります。艶っぽくなって雨に濡れた紫陽花のような感じに仕上がってます。
今回はうまくテーマでまとまった感じがします!!